近年のペットブーム、とくに「猫ブーム」により猫を飼いたいと思っている人がものすごく増えましたよね。
飼うことを検討されている人も多いと思いますが、飼う前に本当に「終生飼育が可能かどうか?」をよく考える必要があります。
メディアには良い部分しか取り上げられていない

猫はかわいいです。テレビやYouTubeで取り上げられているのは、猫のかわいい仕草や遊んでいる映像ばかり。
しかし猫も生き物です。飼育するということは、良い面も悪い面も全て受け入れ、愛情をもって死ぬまで飼育する責任を負わなければなりません。
猫はかわいいおもちゃではない

猫は生きています。やりたいように行動します。飼い主の命令に従うタイプの動物ではありません。どちらかというと、飼い主が猫に合わせてあげなければなりません。
赤ちゃんの頃は小さく、手のひらに乗るサイズですが、半年~1年も経てば立派な大人のサイズになります。わずか1年で人間でいう15歳~18歳くらいの年齢になるのです。
また、ペットショップで懐いていても、家でいざ飼ってみると環境に馴染めずに性格を変えてしまう猫もいます。飼い主のことを嫌いになり、引っ掻いてくる猫もいます。
ペットショップも商売

ペットショップは動物を売るのが商売。買い手としてもその点をきちんと理解しておきましょう。「この子なら大丈夫そう。大人しそう。」そういう考えを持った時点で購入の是非を再検討した方が良いと思います。
どんな性格の猫も『一緒に生活する家族の一員』として、受け入れる覚悟が当たり前のようになければ、終生飼育させることは難しいでしょう。
ペットショップの猫は売れない個体は店舗移動させられたり、狭いスペースでストレスを溜めていたり、その猫本来の姿がそこにないかもしれません。
ペットショップの店員さんも売るためにはマイナスなことはなるべく言わないように心掛けていると思いますよ。
猫も時に凶暴

猫が飼い主に懐いたとしても、訪問してくる人に懐くとは限りません。私の知り合いにもたくさん飼っている人がいますが、訪問者にいきなり襲い掛かり、何針も縫うけがを負わした「凶暴性」も猫の一面なのです。
猫は動物です。飼い主の言うことを聞く猫は、飼い主のことが好きだから言うことを聞くわけではありません。ここが人間との違いです。
人間であれば、好きな人のために嫌なことでも我慢して言うことを聞くという感情を持ち合わせていますが、猫にそういった感情はありません。
あくまでも猫自身で判断した行動をとります。
なのでどんなにかわいがって懐いてくれている猫であっても、やりたくないことはやりませんし、攻撃したいと思えば、攻撃します。
猫にかかる費用

1ヵ月平均4000円前後の食費が必要です。
1年間の平均診療費として3万5300円程度かかります。
猫を終生飼育するのに必要な費用は、仮に10年間の寿命を生きたとすれば、79,686円×10年
=83万3000円もかかります。
(※上記金額に去勢・不妊手術代がプラスされます)
この費用は猫が元気に生きてくれた場合の費用です。猫を飼うには経済的にも余裕がなければ飼えませんよね。成人くらいまでの健康な人よりも猫の方が診療費がかかると思ってください。
猫を飼わないというのも1つの選択肢
私は猫を飼っていません。でも猫が大好きです。周りの友達の多くが猫を飼っています。
私の場合は、自分に世話が出来ないであろうと考えているので飼っていないにすぎません。
飼う余裕というか大切にしてあげられる自信はありますが、「終生変らず幸せにしてあげられるのか?」と尋ねられれば、即答で「はい!」という自信がないからです。
10年後の自分の見通しも出来ない人間なので、そんな人間が猫を飼ってはいけないと思っています。これはあくまでも私の考えです。人それぞれ考え方は違いますし、悩んでいる人みんなに「飼うな!」と言いたいわけではありません。
ただ、猫に癒しを求めて安易に飼い始めるのはよくないと思います。たとえば1人暮らしの人が終生1人で面倒をみることは不可能だと思います。家族の誰かが面倒をみてあげる環境がなければやっていけなくなります。
以前、猫の保護をしている理事長的な人がテレビで発言されていたことを思い出しました。「本当に猫のことが好きなのであれば、”飼わない”という選択肢も世の中の猫のためになります」とおっしゃっていました。
2014年4月~2015年3月の間に、3万2702匹の成猫と、4万7043匹の子猫が殺処分されました。猫ブームにより、この数は今後も増えていくのではないでしょうか。
なぜこれだけの命が奪われるのか。それは、猫を飼いたいと思う人が多すぎるためです。猫が増えすぎているのです。飼いたい人が増えれば、生まれてくる数も増えますし、残念ながら見捨てる人も同様に増えてしまいます。
猫の殺処分を無くす方法は、猫を飼いたいと思う人を減らす以外に道はありません。当たり前ですがそんなことは法律で厳しく定めるくらいの拘束力がなければ不可能ですよね。
言うなれば、動物を殺傷して得られた製品を一切口にしない「ベジタリアン」の人の考え方と似ていて、自分が動物の在り方に対してどのように考えるのか?ということだと思います。
まとめ

ここまで読んでくださってありがとうございます。
ここまで読んでも、それでも「飼いたい」と思える人は、きっと責任をもって飼うことができるのではないでしょうか。
なぜなら私は自分でこの記事を書いていて、やっぱり飼えないなと感じましたから(笑)
では、良い猫ちゃんライフをお過ごしください。