火や氷を自在に操る者。
ゲーム、アニメ、映画でもよく登場する相反するこの能力。
ゲームの世界では多くの場合で「レベル」や「アビリティ」があり、その値が高いほど有利になりますが、
アニメや映画の世界では、時として互角の戦いを繰り広げています。
私がとくに気になったのは、【X-MEN】(映画シリーズ)と【ワンピース】(アニメ)に登場する相反する能力者達です。
「X-MEN」シリーズでは、
『パイロ』(炎を自由自在に操るミュータント)
『アイスマン』(物を凍らせたり、氷を自在に作り出せるミュータント)
「ワンピース」シリーズでは、
『エース』(火を自在に作り出し自由自在に操る「悪魔の実の能力者」メラメラの実)
『サカズキ』(溶岩を自在に作り出し自由自在に操る「悪魔の実の能力者」マグマグの実)
『クザン』(あらゆる者を瞬時に氷結させ自由自在に氷を操る「悪魔の実の能力者」ヒエヒエの実)
などなど。X-MENシリーズではほぼ互角に戦うシーンもあり、ワンピースでは、火の能力者であるエースが、マグマの能力者であるサカズキに負けるシーンが描かれています。
ということで、ワンピースの世界では、クザン(氷)に相反する能力は(火)ではなく(溶岩)サカズキということになります。物語的にも相反する能力・立場で描かれていますよね。
さて、この火と氷の能力って結局どっちが強いの?ってことですが、
この対決をリアル(現実)に考える場合、対決の行方を決定付けるのは「単純にどちらの温度が高くて低いのか」ということにはならなさそうです。
絶対零度
熱力学での最低温度は-273.15℃とされます。最低のエネルギー状態の温度を「絶対零度」と呼んでいます。
火の温度
火はだいたい250℃~未知数とされます。最低でも250℃ほどとなります。ちなみに紙に火がつく温度は450℃です。
水と紙と火
水を通さない紙に水を入れ(紙コップなど)、下から火で加熱するとどうなると思いますか。
水はだんだん温度が上がり、100℃に達します。水はお湯になって沸騰しますが、そのまま加熱し続けても100℃以上にはなりません。
水の最高温度は100℃で、紙に火がつく温度は450℃です。
紙も水が入っている限りは100℃以上にはならないのです。紙の発火点は450℃ほどですので、発火させるには350℃温度が上がらないと火がつきません。
※水の入っていない部分に火を近づけると燃えますので要注意です。
どちらが優位か
少々脱線しましたが、火と氷の能力者が対決したとき、現実的に考えれば「火が圧倒的に強い」でしょう。
そもそも冷却能力には限界があり、火の温度は数千℃を遥かに超える温度まで上限なく上げ続けることが可能です。
火を作り出せる能力があるということは、温度もある程度自由に操作できることが予測できるので、氷では全く足元にも及ばないと思われます。
ただ、冷却能力のある超人(そもそも非現実的)は「あらゆるものを瞬時に冷却できる能力がある」と考えれば、絶対零度を超えた「負の絶対零度」ならぬ未知なる力があり、火の力と互角に戦うことも可能かもしれません。
むしろ「あらゆるものを瞬時に冷却できる能力」があれば、火も瞬時にかき消す力があるでしょう。
ちなみにワンピースの火拳のエースが赤犬のサカズキにやられるシーンですが、リアルの世界では、
火(無限)>溶岩(高くても1200℃程度)
比べる必要もないほど火の力が上ですが、ワンピース内のエースがサカズキにやられたということは、エースの扱える火の力(温度)は、マグマの温度を凌げない低温度の火であったということになります。