トップへ戻る
2016/12/15

アルコール依存症かどうか見分ける

「お酒を飲まないと寝付けない。」「お酒を飲まない方が良い生活を送れる気がする。」「必ず飲みすぎてしまう。」

….そんな悩みにあなたは当てはまりませんか?上記3つはすべて「アルコール依存症」の傾向です。

アルコール依存症は自覚がないことが多く、酔っている間に過ちを犯してしまうこともあります。あなたは本当に大丈夫でしょうか?

どのような人がアルコール依存症である可能性が高いのか、みていきたいと思います。

アルコール依存症とは?

アルコール依存症とは何なのか

はじめにアルコール依存症とはどのような状態なのか知っておきましょう。アルコール依存症とは、飲酒をしてはいけないような状況でも、飲酒に対する強い欲求がある状態です。

この飲酒に対する強い欲求のことを「飲酒渇望」といいます。アルコール依存症では、飲酒渇望が常にあるため、お酒に関する行動が自分で規制できなくなる「コントロール障害」を伴います。

予定より「長く」「多く」飲んでしまうのです。中枢神経がアルコールに依存するために、「離脱症状」が生じることもあります。

中枢神経は脳と脊髄から構成され、私たちが見たり聞いたり感じた情報を集めたりしています。筋肉に指令を出す役割も中枢神経が担っています。

軽度~中度の離脱症状では、手の震え、発汗、焦燥感、高血圧、吐き気、下痢、体温上昇、心悸亢進等が起こります。重度となると痙攣や幻聴、振戦、せん妄を伴うことがあります。

せん妄は意識障害や幻覚が現れることをいい、アルコール依存症が原因で入院する人のおよそ30%にあらわれると言われています。

過度な飲酒については様々な病気の原因になりますが、アルコール依存症は健康面のみならず、社会的問題の引き金にもなりかねません。

事故、事件、虐待、家庭崩壊、失職、借金などの背景に過度な飲酒があることは想像に難くないと思います。適度な量を楽しく飲んでいれば、問題が起こることは少ないですよね。

それでは、どこからがアルコール依存症なのでしょうか。

アルコール依存症の基準って?

アルコール依存症の境界線とは

アルコール依存症の診断については「米国精神神経学会」が作成した診断基準がよく用いられています。その診断基準を見てみましょう。

・ アルコールへの耐性が存在する
・ 離脱症状が起こる
・ 予定よりはるかに多く、またはより長期間の飲酒をしてしまう
・ 禁酒や減酒の持続的欲求または努力の不成功
・ お酒を入手すること、飲むこと、または飲酒の作用からの回復に多くの時間を消費している
・ 飲酒のために重要な社会的、職業的、または趣味に関わる活動を放棄または減少している
・ 精神的・身体的な問題が飲酒によって起こり、悪化することを理解していながら飲酒をやめられない

当てはまる項目はありましたか?

「アルコールへの耐性」とは以前に比べて、同じ量のお酒で酔えなくなっている状態です。

過去1年の間に以上の項目が3つ以上当てはまると、アルコール依存症の可能性があるようです。上記の米国精神神経学会が作成した基準は、WHO(世界保健機関)によるアルコール依存症の診断ガイドラインがもとになっています。

日本国内では、独立行政法人国立病院機構の久里浜アルコール症センターで開発されたテストがあります。このテストは日本人向けに作られており、男女別で項目が異なります。

興味のある方は「アルコール依存症 スクリーニングテスト」と検索していただくと試すことができます。

各診断基準やスクリーニングテストの判定はあくまでアルコール依存症の「疑い」です。精確な診断が必要な場合や悩みが深刻な場合は専門医を受診しましょう。

アルコール依存症にならないために…

アルコール依存症にならないために

アルコール依存症は病気です。病気を予防するには、病気の原因を知っておくことが大切です。アルコール依存症の50~60%は遺伝要因であると言われています。

私たちの体にとってアルコールは有害な物質です。体内には「アルコール代謝酵素」が存在し、アルコールを水や二酸化炭素などの無害なものに代謝しています。

この酵素は突然変異により活性が弱いものが出現します。すると、血液中に有害な物質が増え、顔が赤くなったり、胸がドキドキしたり、頭痛が起きたりします。

これらの症状は、アルコール依存症の防壁であり、過度な飲酒をやめさせるきっかけとなります。遺伝的にこの反応が起きない体質の人は防壁がないため、過度な飲酒をしやすくなります。

つまり、お酒に強いことが原因でアルコール依存症になり得るのです。

アルコール依存症の治療においては、仕事に就いている人、配偶者がいる人、治療前の飲酒量が少ない人、治療に対して前向きな人などは、良好な転帰であることが多いようです。

診断基準には、「飲酒以外の楽しみに魅力や興味を見いだせず、飲酒の時間やそれから回復するための時間が長くなっている」という項目もあります。

良好な人間関係や没頭できる趣味を持ったり、仕事に専念することは、アルコール依存症の予防につながります。

まとめ

あなたは何故お酒を飲みますか?気分転換?趣味?付き合い?悩みが尽きず、眠れない夜もあるかと思います。

健康や人間関係を崩壊させる引き金になるのがアルコール依存症です。なるべくお酒の力を借りず、充実した生活を送れるよう心掛けることが大切です。

⇒こんな感じの他の記事みる?