「老化は足から」という言葉がありますが、若いうちは、自分の足で思うように歩き、自由に走ることができますよね。
当たり前のようですが、歳を取ってくると「頭で思い描く動き」に対して、身体が思うように動かなくなってきます。
これは主に、動くために必要な「足の筋肉」が衰えることが原因です。
年配の方が転んで足の骨を折ってしまうのは、もちろん骨の骨密度などの問題もありますが、そもそも転ぶ原因となっているのが圧倒的な筋肉不足です。
足の筋肉が強靭であれば、そもそも転ぶこともありませんよね。
全ての人が衰える

足の筋肉の衰えは、全ての人に訪れます。何もしなければ、残念ながら筋肉の衰えを食い止める術はありません。
下半身の筋肉は体の中でも7割も占める大きな筋肉です。30代をピークに、40代から筋肉は減り始め、60代で急激に低下していくといわれています。
億劫になってからでは遅い

40代から徐々に筋力は衰え始めますが、生活に支障をきたすほどではありません。
しかし、50代半ばから60代前半になると誰もがその衰えを感じ始めます。
衰えを感じ始めると、元の若い頃の筋力に戻すのにより時間が掛かり、心的ストレスも多くなります。
容易に筋力アップを目指す上でも、40代から積極的に下半身トレーニングを始める必要があります。
- Point.動ける40代から積極的に下半身トレーニングを行う
心と身体を同じ水準にする必要性

頻繁に耳にする言葉があります。「あと10歳若かったら○○したかった」というセリフです。この言葉は、心と身体が一致していないから生まれるセリフですよね。
心と身体の不一致により何が生まれるか。それはまさに「老化」そのものです。「老化は足から」というのは、何も身体だけの問題だけではなく、それが原因で引き起こされる心的老化に着目しなければなりません。
「自分の思うように身体を動かせない」というのは、想像もできないほどの多大なストレスになります。
歩くことや、身体を動かすことはストレス軽減に大きく関わっているともいわれています。これが制限されるということは、心の閉じこもりにも繋がるのです。
こういった体験は歳を取れば取るほど多くなり、徐々に外へ出掛けることも億劫になり、より一層の筋力低下に拍車がかかります。
このように、ご老人が閉じこもりになる原因は、下半身の衰えが発端となる可能性が高いのです。
対処をしなければ全ての人が同じ末路を迎えるのが「老化」というものです。
とくに、筋力の低い女性や、元々身体を動かすことが嫌いな人は、より早い段階から対処する必要があると認識しておきましょう。
- Point.下半身の筋力低下は老化をより加速させる
歩くだけでは意味がない

筋肉は「筋繊維」が束になってできています。そして、この筋繊維には、遅筋繊維と速筋繊維があります。
「遅筋繊維」は、日常生活の中で動くために必要になり、瞬発力のない筋肉ですが、疲労しにくく、持久力があります。
「速筋繊維」は、必要な時に瞬時に力を発揮するために必要な筋肉で、持久力はありませんが、瞬発力があります。
ここからが重要です。加齢に伴い筋肉が減少してしまうのは、「速筋繊維」が減少して、筋肉が萎縮してしまうからなんです。
つまり、ウォーキングだけをしていても、「足の老化」を防ぐことはできません!
「歩いてさえおけばOK」と勘違いしている人は要注意です。
日常生活の中で使用頻度が高い筋肉は、歳をとっても維持し続けることが容易です。生きるためには基本的にこの筋肉を使い続けますから。
「走る」「階段を上る」「重い物を持つ」「転倒前に体重を支える」などのために必要な瞬発力のある筋肉は、意識して積極的に鍛えておかないと、加齢とともに減少してしまいます。
つまり、加齢に伴う筋肉の減少を防ぐためには、瞬発力のある筋肉、つまり脚の速筋を鍛える必要があるということです。
脚の速筋を鍛える

速筋を鍛えるのは実は簡単です。その方法は皆さんご承知の「スクワット」です。
速筋を鍛えるには、より低回数で負荷の高い運動をすればよいでしょう。
ジムなどで脚を鍛えている人は、高負荷となる8回~10回で限界になるために、よくバーベルを持ちながらトレーニングをされていますよね。

バーベルを利用したトレーニングは無酸素運動になります。スクワットは自重トレーニングでも十分に効果が出ますので、バーベルは必ずしも必要ではありません。
スクワットの正しいやり方

1.まずは垂直に立ちます。
2.足幅は、肩幅と同じくらいに広めるのが基本。
3.視線をできるだけ前方へ。
4.背中を真っ直ぐ伸ばし、胸を張るイメージで。
5.膝を曲げる時はおしりを突き出すように意識します。
重要なポイント

膝がつま先から出ないようにしてください。膝が前に出ると背中が丸まり、膝を痛めやすくなります。ダメージ軽減の上でも注意しましょう。筋力トレーニングが逆に膝を痛める原因になっては本末転倒です。
1~5を10回~20回でこなします。目安は週に1度必ず実施します。脚の筋肉は衰えるのも早い筋肉ですが、しっかり鍛えれば発達も早い筋肉になります。
膝へのダメージを軽減する上でも、週に1度のトレーニングで十分です。もし膝が痛む場合は無理に継続せず、姿勢の見直しと、余分に1週間の休息を取りましょう。
回数に慣れくれば、よりスローに動いてみてください。ゆっくりした動きになればなるほど、高い負荷を感じるはずです。
以上、筋力低下による老化と、スクワットの正しいやり方をご説明いたしました。下半身のトレーニングは女性のダイエット効果や男性の夜の機能改善にも効果抜群!その話はまた次回ということで。では、今日からでも実施していきましょう!