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2016/11/22

60年代の映画

服装や慣習など女性がより女性らしかった往年。この時代の女優さんたちは本当に魅力的な人が多いです。今回は60年代前後に的をしぼって美女が出ている映画を紹介します。

妖精のような可愛らしさ ジーン・セバーグ『悲しみよ、こんにちは』

悲しみよ、こんにちは

裕福なプレイボーイ・レイモンドは娘のセシールと暮らしている。勝手気ままでパーティー三昧な父の影響でセシールも奔放で天真爛漫な娘に育っていた。

ある日、父が母の親友だったアンヌと婚約していることを知ったセシールは今の自由な生活が奪われるのではないかと不安になり、父とアンヌの仲を引き裂こうとする…。

娘のセシールを演じているのがジーン・セバーグ。この映画でのベリー・ショートが話題となりセシルカットと呼ばれたそうです

出てくるファッションの着こなしや生意気な態度が可愛らしくとてもキュートです。原作はフランソワーズ・サガンの同名小説。

映画の撮影は主に南仏のリヴィエラ海岸で行われたのですが、キラキラとした海がとても美しく、爽やかで儚い魅力を添えています。

プライベートのセバーグはとても正義感が強い人物で、積極的に政治活動や慈善寄付を行っていました。(特に黒人の人種差別に反対していたことは有名)

当時、女優が政治活動を表立って支援することはあまりなく、そのことでFBIから目をつけられてしまうほどでした。

しかし、その闘いに疲れてしまったのか、子どもを流産したこともあり晩年はうつ状態に悩まされ、最後は車の中で全裸遺体となって発見されます。

手には「許してください。もう私の神経は耐えられません」と書かれた遺書が残されていました。

そのときまだ40歳でした。この映画で輝く彼女の笑顔を見ると少し切ない気持ちになってしまいます。

小悪魔といえばこの人!ブリジット・バルドー『殿方ご免遊ばせ』

殿方ご免遊ばせ

フランス大統領の娘、ブリジットは大統領秘書官であるミシェルに夢中。だが女性にモテるミシェルはなかなか振り向いてくれない。

しかし、ちょっとしたきっかけから二人は結婚することになる。愛するミシェルと結婚できて幸せだったはずのブリジットだったが、結婚してからも女性関係が派手なミシェルについに激怒。

浮気してやる!とミシェルに宣言したブリジットはよりにもよって、フランス訪問中のグレタ女王の夫君、シャルル大公を浮気相手に選ぶ。

最初はブリジットの言うことを信じなかったミシェルだが、シャルル大公が公式の予定をキャンセルしたことで急に不安になる。そのときブリジットはシャルル大公とニースでアヴァンチュールを楽しんでいた…。

フランスのマリリン・モンローとも呼ばれたブリジット・バルドー。

当初は比較されることも多かったそうですが、それに対して「みんなモンローかバルドーか?って、よってたかって並べるけど、私はマリリンのファンなの。でも影響を受けたとか、真似したとかは一度もないわ。だって私は彼女の足元にも及ばない。」と語っています。

奔放に恋愛を楽しんでいた彼女ですが、中でも有名なのは当時フランス一のプレイボーイとも言われたセルジュ・ゲンズブールと不倫関係になったこと。

セルジュが作曲した曲にブリジットのあえぎ声のような演技をつけて録音するなど大胆な関係でした。

ファッションアイコンとしても有名で、当時彼女がはいていたバレエシューズ“Repetto”は大人気となり、ブリジッド・バルドーの愛称B,B(ベベ)を名付けたシリーズも発売されました。

エレガントなファッションも見どころ カトリーヌ・ドヌーヴ『昼顔』

 カトリーヌ・ドヌーヴの昼顔

美しい若妻セヴリーヌは医師である夫のピエールとともに幸せに暮らしていたが、ひとつの欠点は夜の生活がないこと。

セヴリーヌは実はマゾヒスティックな妄想にとらわれていた。ある日、友人から上流階級の女性たちが客をとる娼館の話を聞き、迷った末にセヴリーヌは夫に秘密で”昼顔”という名前で働き始める…。

第28回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞である金獅子賞を受賞しました。ところどころで出てくるセヴリーヌの妄想が面白いです。

昼顔の衣装を担当したのがイヴ・サンローラン。この仕事をきっかけに二人は親交を深め、それ以来、カトリーヌ・ドヌーヴは公式の場ではほぼイヴ・サンローランのドレスを着ています。

イヴ・サンローラン本人もデザインを作るときにはカトリーヌ・ドヌーヴを意識しているとコメントしています。

(でもイヴ・サンローランはゲイなので、あくまで親しい友人関係だったそうです)

昼顔で使われている衣装はとてもエレガントでまさに貞淑な妻という感じです。しかしセヴリーヌの妄想の中では、高級な靴も服も全部すぐ汚され、剝ぎ取られそんな自分を捨て去りたいという願望の現れなのかなと思いました。

カトリーヌ・ドヌーヴは現在73歳(2016年)ですが、今でも現役で女優を続けています。

60年代絶世の美女と呼ばれた人々は若い時期を過ぎると俳優活動を引退してしまうか、情緒不安定で活動を続けられなくなるという人が多いので、これはとても珍しい例だと思います。

現在はエレガントな雰囲気はそのままに、素敵に年齢を重ねて幅広い役に挑戦しています。

8度の結婚と病気に悩まされる波乱万丈人生 エリザベス・テイラー『クレオパトラ』

エリザベス・テイラー クレオパトラ

紀元前48年、ローマ帝国の執政シーザーはポンペイウスを追ってエジプトに入城するが、そこで女王クレオパトラと出会い、その美しさと驚くべき賢さに興味を持つ。

滞在の間に二人は関係を持ち、クレオパトラはシーザーの子を産む。シーザーは先にローマ帝国に帰るが、クレオパトラをローマ帝国まで呼び寄せた。

そこで行われたクレオパトラ率いる煌びやかなエジプト人たちのパレードにローマ市民は熱狂する…。

この映画でエリザベス・テイラーは当時の最高額と言われる100万ドルでオファーを受けました。エキストラには二十数万人が導入され、実際見てもすごい迫力です。

衣装やセットが素晴らしく、本物のエジプトを見ているようでした。この映画でエリザベス・テイラーはアントニー役のリチャード・バートンと出会い、後に結婚しています。(そして離婚もしました)

エリザベス・テイラーはとても病弱な人だったようで、人生の中で何度も大きな手術、入院を繰り返しています。

このクレオパトラの撮影中もジフテリア(粘膜による感染症)をひき起こし、呼吸困難状態になりました。そのとき気道確保するために気管を切開したのですが、映画ではその手術痕が見えないように首元に仰々しいアクセサリーをつけています。

ウエストの細さは並大抵のものではなく、10代の頃は19cmしかなかったそうです。この映画でもとてもよくその細さが強調されています。

宝石のコレクターとしても有名で、主に恋人や彼女を崇拝している男性からプレゼントされたものだとか。ハリウッドのゴールデンエイジを代表する女優の一人です。

ハリウッド最強のセクシーアイコン マリリン・モンロー『帰らざる河』

マリリンモンロー主演

ゴールドラッシュで沸くアメリカ北西部の町にマットは息子マークを探しにやってきた。マークは酒場の歌手・ケイに世話をされていた。

マットは息子・マークを連れて畑を耕すために町を出た。二人はおだやかに暮らしていたのだが、近くの急流に大人2人が乗ったいかだが通りがかる。

このままでは流されてしまうところをマットは助けたのだが、そのいかだに乗っていたのは酒場の歌手・ケイと夫のハリーだった。

先を急ぐ夫のハリーは命の恩人であるマットを銃で脅す。必死の抵抗をしたマットだったが、頭を銃で殴られ、気絶してしまう。ケイはそんな怪我人と子どもを置いては行けないと二人の側に残ることにした。

目が覚めたのも束の間、マット達の住居に白人を襲うインディアン達がやってくる。このままでは皆死んでしまうと思ったマットはマーク・ケイと共に河を下る決心をする…。

この映画では今まで演じてきた”グラマラスで美人だが、ちょっと頭の悪い美女”という役とは一転して、マークとマットの二人を世話するしっかり者で、媚びることない自立した女性という役柄を演じました。

マリリン・モンローが出ている映画はいい意味でも悪い意味でも、マリリン・モンローが圧倒的存在感になってしまうのですが、この映画ではロッキー山脈の雄大な自然やマーク・マットの親子としてのストーリーなど全体としてとてもいい映画だと思いました。

セクシーであることは女優の最低条件だと思いますが、彼女はあまりにもそのイメージが強かったので”もっと演技を評価してほしい”、”もっと素晴らしい女優になりたい”という思いが人一倍あったそうです。

彼女の日記や親しい人物から話を聞くと、とても繊細な女性だったことがわかります。わずか36歳の若さでこの世を去ったマリリン・モンローですが、今でもその影響力は絶大です。

(例えば、彼女が映画で着たドレスは5億円で落札されましたし、香水でシャネルの5番と言えば、マリリン・モンローを思い浮かべる人が圧倒的に多いです。)

とても苦悩の多かった人生だったと思いますが、彼女は時を越えて愛される女優になったのです。

まとめ

いかがだったでしょうか。60年代の映画を観ていて、すごいと思うのは40年経った今観ても、まったく素晴らしさが衰えていないことです。

映像を通して、”素晴らしかったあの頃”は保存され、これからも永久に残っていくのですね。衣装やセットも凝っているものが多いのでアート・ファッション関係などに興味がある方は必見だと思います。

私たちが今生きている現在からも、後年にわたって愛されるような作品が出てくることを期待しましょう!

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