トップへ戻る
2016/06/29

ブラックホールの正体とは

宇宙の話といえば必ず「ブラックホール」がでてきます。このブラックホールとはそもそもなんなのでしょうか?我々の住んでいる星と何が違うのでしょうか?

ブラックホールとは?

ブラックホールは物質の極限状態と考えられており、超高密度の星の成れの果てと考えられています。

どのくらい超高密度か、つまりどのくらいキツキツに詰まっているか考えてみましょう。通常自分たちの住んでいる地球だと、地上でも地球の核でもスカスカの状態です。

この世のあらゆる物質は原子から構成されていますが、我々の住んでいる地球という場所では、この原子はいたるところを「飛び回っているイメージ」を持ってもらえるとよいかと思います。これが超高密度になるとどうなるでしょうか?

白色矮星、中性子星、そしてブラックホールへ

地球で飛び回っていた原子はある程度重力の高い星に来ると、飛び回ることはなくなり、その場で止まりはじめるようになります。

また原子は原子核と呼ばれるコアとその周りを回る電子でできています。ある程度重い星になると、この電子同士がぶつかるかぶつからないかぐらいまで近接するほどの高密度になります。

これは「白色矮星」と呼ばれています。この天体は地球よりずっと重いですが、ブラックホールに比べればまだまだ軽い序の口の天体です。

さらに重力が重くなると、原子核と電子が合体し始めて中性子になります。

そして、この中性子同士が触れ合うくらいまで密度が高くなると、「中性子星」と呼ばれる天体になります。

名前を聞いた人もいるのではないでしょうか。これは先ほどの白色矮星に比べるとだいぶ重いですが、それでもブラックホールに比べるとまだまだ軽いです。

さらにこれが重くなるとどうなるでしょうか?中性子同士が触れ合うほどの距離になると中性子同士が強く反発しあいますが、その反発力よりも、もっとさらに大きな重力がかかると、物質はそれ以上支える力を持たないので、完全に潰された状態をとります。

これが「ブラックホール」です。

ブラックホールの中はどうなっている?

ブラックホールの中はどうなっている?

さてこのブラックホールの中はどうなっているでしょうか?先ほど出てきた白色矮星や中性子星は、これまでよく知られている物理理論で説明出来るのでその中身はある程度推定できます。

一方で、ブラックホールはどんな力でも支えられなくなってしまった極限の状態になっており、この中身がどうなっているのかわかるような単純な理論は存在しません。

色んな理論物理学者がさまざまなモデルを提唱していますが、果たしてどれが正しいのかは誰にもわかっていません。

またブラックホールの中身を見ようにも、望遠鏡などで覗いてもブラックホール自体は絶対に観測できません。

ものを見るためには光がないとダメですが、そのブラックホールの空間が自分自身の重力によって深い井戸のように落ち込んでおり、観測しようとして入った光はその井戸に入ったが最後、二度と出てくることができません。

ブラックホールは本当にあるのか?

これまでの話だと、結局ブラックホール自体は見ることができないので、そもそもブラックホールというものが果たして本当に存在するのか?という疑念を持たれる方がいるかと思います。

それでは人類はそこにブラックホールがあることをどうやって知るのでしょうか?直接的には観測できないので、間接的に確かめてやるしかありません。

ブラックホールがあると思われる周りの星を観測します。見えない重い星があるのなら、その重力は周りの“見える星”の軌道に影響を与えるはずです。

さらにその見える星を望遠鏡でみれば、放射している光の特性から星の質量がわかります。

よって、見える星の質量と軌道周期がわかれば、そこにあるはずの「見えない星=ブラックホール」の質量が求まります。

この質量が十分に大きければブラックホールと言えるはずです。

かくして、このようなやりかたで見つかったのが有名な「白鳥座 X-1」という天体で、その質量は太陽のおよそ10倍という大きさでした。

ついに念願のブラックホールが見つかったのです!

そして、その後研究が進んでいくと、さまざまな天体でブラックホールが存在していることがわかりはじめ、さらにその質量も非常にバリエーションに富んでいることがわかってきました。

例えば太陽の10倍程度のものもあれば、数百万倍にも及ぶものもあり、同じブラックホールという言葉でくくるにはためらいが生じてしまいます。

果たしていったい全体、何が理由でこんなにさまざまなブラックホールが生じるのかを考えていくと、銀河の成り立ちや宇宙が生まれてから現在に至るまでの歴史をひもとく鍵になってくることがわかってきました。

⇒こんな感じの他の記事みる?